ランデヴー
もう今日は色んなことがありすぎて、今すぐにでも帰れるものなら帰りたい。


心の底から激しくそう思う。


それでも最後の気力を振り絞ってデータをカチャカチャといじっていると、ひっそりと倉橋君が戻って来た。



チラッと横目で見やると、何だかどっと疲れたような顔で「はぁ」と深い溜息を吐き出している。


さっきのことについて何か言われるかと少し身構えていたが、どうやらそのつもりはないようだった。



「あ、データ来たんですね、すみません」


メールに気付いた倉橋君がそう言いながら真剣な顔で仕事を始めたので、私も何も言わずに仕事を続けた。


まるで何事もなかったかのように、お互い無言で並んで仕事をする。



私は取引先や他部署に問い合わせの電話を何点かして完成させたデータを、経理部に送信した。


そして小原さんに確認の電話をすると、私の業務は終了だった。



うーんと背伸びをして「私終わったけど、そっちどう?」と倉橋君に尋ねる。


彼にはデータから一部を抜粋し、別の照合をしてもらっていた。
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