ランデヴー
いつもの私だったら、そのままうやむやにしていたかもしれない。


でも……依存なんかじゃない、対等でありたい。


そう思った私は、思い切って口を開いていた。



「あの……陽介?」


「ん?」


「……奥さん……は、いいの……?」


勇気を振り絞る私の前で、陽介の動きが一瞬止まる。



私が自ら陽介の奥さんについて切り出したのは、これが初めてのことだった。


心臓がバクバクと破裂しそうに暴れ回り、ギュッと握り締めた手は少し震えている。


対する陽介も、私を見つめるその瞳に動揺の色が見てとれた。



「え……あぁ。週末、友達と旅行だって……言ってたから……」


途切れ途切れに唇を動かしてそう言う陽介の目は、私を見て驚いたように見開かれている。


私は「そっか……」と呟き、未だ驚いた様子の陽介に小さく首を傾げた。



「陽介……?」


私の問いに、陽介がハッと我に返ったように動き出す。
< 200 / 447 >

この作品をシェア

pagetop