ランデヴー
「うわぁ、結構人多いんだね」
五合目に着くと思ったより人が多いことに驚いてしまい、声を上げる。
さっきはかなり取り乱していたが、私はあれから落ち着きを取り戻して今日を楽しもうと気持ちを切り替えていた。
泣くのは終わりにしよう。
笑って過ごしたい。
そう思えたのは、陽介のあの愛の言葉があったからだ。
私は何度もそれを脳内でリピートさせては、胸をドキドキさせていた。
「寒いね」
そう言って私が肩を竦めると、既に後部座席から私の上着を出してくれていた陽介が、それを肩にかけてくれる。
「あ、有り難う」
「風邪ひくから、ちゃんと着て」
「うん……」
私はもぞもぞと上着に腕を通して身支度を調えると、そっと陽介の腕に手を絡ませた。