ランデヴー
「……別れたくない」


そう言って、ふぅと息を吐き出した。


別れを切り出した陽介への、これが私からの結論だった。



今の私には、どうしても陽介との別れを受け入れることができなかった。


でも陽介のことを考える時間は、努力すれば少しずつでも減らせると思った。



それは休みの日に1人で過ごすことをやめるとか、平日に陽介からの連絡を待つのをやめるとか。


そんな簡単なことしかできないけど、そうした努力を日々続けていれば、もしかしたら自然と別れてもいいと思える日が来るかもしれない。


陽介以外に目を向けることが、彼に言われたからだけじゃなく、今自分自身の為にも必要なことだと思った。



陽介は静かに私の話を聞いていたが、ふと私の頭を乗せている腕をゆっくりと引き抜き、その手で胸元に乗った私の手をキュッと握り締めた。


そしてもそもそとこちらに体を動かして向かい合わせになると、私の耳元に指を這わせて優しく髪を掻き上げる。



陽介は私の話を聞いて、どう思ったのだろうか。


何を言われるのだろうか……否応なしに胸がドキドキと脈打つ。
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