ランデヴー
「まぁまぁ。俺はお前よりずっと人生経験豊富だからな。何でも話してみ?」


ほれほれ、と言いながら佐原さんは胸を張る。


馬鹿正直に話す気はもちろんないが、何も言わないのも何だか悪い気がしてきた私は渋々尋ねた。



「えっと、じゃぁ……。諦めなきゃいけないものを諦められない時、佐原さんだったらどうします?」


「はぁ? 何かとんちみたいだな」


「…………」


やはり聞く相手を間違えたようだ……。


一瞬は肩を落とした私に、佐原さんは更に続けた。



「なーにをそんなに悩んでるのか知らないけど。まぁ、そう簡単に諦めるな、若者よ。諦めない道を探せ」


「諦めない道……」


「探せばいくらだってあんだろ。一生賭けても探すんだよ」


佐原さんにしてはまともなことを言う……と思った、が。


諦めない道なんて、今の私にはないに等しいのに……。
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