ランデヴー
要するに、佐原さんの個人的な僻み、だ。


既に40代も半ばを過ぎようというオジサン、の。


そんな佐原さんに対して蔑むような目を向けると、彼はいつものように嬉しそうに目を細めた。



「やめろよ、そんな目で見るなよ」


「じゃぁ、どんな目で見ればいいですか?」


「坂下、お前彼氏いないだ――」


「セクハラです」


「…………」


私は佐原さんの言葉を遮り、やたら楽しそうな表情を一瞥してから「お先です」と言って席を立った。


もちろん帰り際には、購買でおやつを買って帰るのを忘れずに。



佐原さんはああ見えて妻子持ちだ。


きっと男女問わず若い子と話すのが楽しいのかな、と私は解釈しているのだが、少しMっ気があるのが残念な所だ。



家ではもしかしたら家族にあまり相手にされてないのかと想像すると、少し可哀相な気がして邪険にもできず。


できる限りの愛情を持って接しているつもりなのだが……どんな風に接しても、佐原さんは私との会話を少なからず楽しんでいるようで、いつも嬉しそうな表情をするのだった。
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