ランデヴー





「もういいから。私1人で帰れるし、倉橋君も真っ直ぐ帰って?」


会社を出てすぐ、倉橋君にそう告げる。



それは本当のことで、もう貧血も治まったし送ってもらう程のことでは全くない。


だが倉橋君はやれやれという風に溜息を吐き、首を振った。



「そう言うと思いました。残念ながら送りますよ。そう言って会社出てきた訳ですし、既に決定事項です」


倉橋君が予想以上に頑固な様相を見せるので結局断り切れなかった私は、家まで30分程の道のりを共にすることになってしまった。



「頭痛は治まりました?」


「……うん、大丈夫」


「食事は? ちゃんと食べてますか?」


「…………うん、まぁ……」


「……嘘ですね。顔色悪いですよ」


電車に揺られながら倉橋君に質問攻めにされ、何故か叱られているかのような錯覚を覚える。
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