ランデヴー
「大丈夫ですよ、これ坂下さん好きでしょう?」


「え? ……あ……うん……」


倉橋君が指した場所を見るとそこにはわざわざ女性人気No.1と書かれたメニューの写真があり、それは確かに私が好きそうな野菜たっぷりスープだった。


というよりも。
私が実際これにしようかな、と考えていたメニューだったりする。



黙ってしまった私に「ね?」と柔らかく目を細める倉橋君は何だかんだで優しくて、私はムスッとしながらも許してしまうのだ。


そんな私を見て、倉橋君はクスリと美麗な顔を綻ばせる。



いちいち絵になる姿に、私はあからさまに溜息を吐いて目を逸らした。



「何ですか、今の」


「え?」


私の仕草を見逃さない倉橋君は、眉を潜めて追求する。



「今、溜息吐いた上にプイッてしましたよね、プイッて。何ですか」


「別に……たいしたことじゃないよ」


「……気になります」


「気にしないで、本当に何でもないの」


まさか……かっこいいと思ったなんて、口が裂けても言えない。
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