ランデヴー
――あの日、苦しむ陽介の心を軽くしたいと願ったあの時。
陽介はかなり迷っていたみたいだったが、その重い口を開いてこう言った。
「妻に、子供が欲しいと言われた」
と。
そして。
「俺はそれを受け入れようと思っている」
そう続けた。
深い絶望と共に、鼓動が大きくうねって私の胸を強く打ち付けた。
男の人は目の前の女性に愛してると囁きながら、その腕で別の女性を愛し、子供を作ることができるのか。
陽介も……所詮世のそういう男性と同じ……。
今まで感じたことのない感情が、ブワッと私の中に沸き上がる。
それは、私が一気に陽介に不信感を抱いた瞬間だった。