ランデヴー
陽介と過ごした日々が幻想だったかのように淡く霞んでいき、そのことが更に私の心を傷付けた。


記憶が……思い出が、辛いものへと変わっていく……。



だったら何故、私に愛してるなんて言ったの?


陽介にとって、奥さんって何?


散々騙して外で不貞を働いて、それでも子供を作って幸せな家庭を築けるの?



そう心の中で非難めいた思いを抱くと同時に、今まで何故その可能性を考えなかったのか、と。


自分自身を責めた。



陽介と同級生だとすると、奥さんも今年32歳ということになる。


確かに年齢的にも出産を望むだろうことは予想できたはずだし、むしろ結婚した時期を考えると遅いくらいだ。


2人の間で子供についてどんな話がされていたのかはわからないが、女性だったら好きな人の子供を産みたいと思うのが当然のことだろう。



未婚でまだ23歳の私にとって、子供を産むなんてことは正直別次元の話だった。


風の噂でかつての同級生が子供を産んだ話を聞くことはあっても、近しい友人の中で子供を持つ人は1人もいない。
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