ランデヴー
それはもちろん、陽介との間にもしも子供ができたら……なんて空想を抱くことはあるが、そんなものは夢物語でしかない。


ただの妄想だ。



でも、陽介達は違う。


2人にとって……いや、少なくとも奥さんにとって子供を産むということは、今目の前にある1番身近で大事な問題なのだ。



私は何も言うことが出来ずに、ただただ陽介の目を食い入るように見つめていた。


まるで発声の仕方を忘れてしまったかのように、声を出すことができない。



そんな私に、陽介は更に絶望を与える。



「もしも子供ができたら……生活も変わるだろう。それに、ゆかりはそんな俺でも好きだと言えるか? 愛してる、と――言えるのか……?」


それは私に問い掛けるようでいて、その実自分に問い掛けているようで……。



いや、他でもない陽介自身が、自分に問うているのだ。


『ゆかりを愛し続けることができるだろうか』と。
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