ランデヴー
フラリと体が倒れそうになる程の衝撃を受け、目の前の壁に思わず寄りかかる。



どうして……何故、彼女がここに?


頭の芯が痺れるような感覚に、ぶるりと身震いした。



「少しお話しがしたいのですが……よろしいでしょうか」


驚きうろたえる私とは逆に冷静な声でそう言われ、私は頭の中が麻痺したまま「どうぞ……」と言って解錠ボタンを押そうと指をかける。


――が、寸前で思い留まった。



「あ、あのっ。すみません、外でもいいですか?」


「……え?」


「あの……マンション出て右に真っ直ぐ歩いて行くとファミレスがあるんですけど……。そこでもいいですか?」


「あぁ……はい。わかりました、お待ちしています」


彼女はあっさりそう言うと、その場から立ち去った。



私はドクドクと鳴り響いている胸元をギュッと押さえて、受話器を置いた。



どうしよう……陽介の奥さんが、私に何の用だろう……。


いや、何の用もなにも……私と彼女に話すことがあるならば、それは1つしかない。
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