ランデヴー
調査を急いで欲しいという響子さんに、調査担当者はあるアドバイスをした。


そして、響子さんはその指示に従った。



それは。


1泊家を空けるということ――。



私はその話を聞き、愕然とした。


まさかあれこそが浮気の証拠を掴む為に仕組まれた罠だったなんて……。


私達はまんまとその策略に乗り、更に私は陽介を外泊までさせてしまったのだ……。



私はその衝撃的な内容を、俯き黙ったまま聞いていた。


店内は暖房が効いているというのに全く暖かいと感じることはなく、自然と組み合わされていた両手は驚く程に冷え切っていた。


それなのに冷や汗が滲み、肌がじっとりと汗ばむ。


恐らく私は今、酷い顔色をしているだろう。



「自分の夫にこんなことをするなんて……最初は罪悪感でいっぱいでした。でも……今は、依頼して良かったと思っています。あなたと直接お話しすることができたから」


響子さんはそう言うと、茶色いA4サイズの封筒を私の前に差し出した。
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