ランデヴー
「坂下さん! 大丈夫ですか!?」


呆然と倉橋君を見上げる私に、彼が慌てて駆け寄ってきた。



「もしかして、インターホン鳴らしてたのって、倉橋君……?」


違うと言って……。


そう願いながら、私は倉橋君に尋ねた。



だがそんな思いも虚しく、彼は眉を寄せた厳しい顔でコクリと頷き私の目線に合わせてその場に座り込んだ。


そして、その手を伸ばして私の両腕を掴む。



「そうですよ! 電話しても出ないし……インターホン鳴らしても反応ないし、倒れてるんじゃないかって本気で心配したんですから! 他の住人に紛れてこっそり入ってきちゃいましたよ!」


まさに血相を変えるという言葉がぴったりな表情で、倉橋君はそうまくしたてた。



初めて見る彼のそんな姿に、本当に私を心配したんだという気配がひしひしと伝わる。


腕を強く握られながら、私はぼんやりと「悪いことしたなぁ……」と思っていた。


それはもちろん心配させてしまったことに対してである、が。
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