ランデヴー
でも、うがいをして歯磨きまでしたら幾分かサッパリとした気分になった。


少しお酒が抜けたのか、心なしか足元もしっかりしてきた気がする。



そうなると私は急に昨日体を洗ってないことが不快になってきて、シャワーを浴びてスッキリしたい衝動に駆られた。


体は重く熱っぽいのには変わりないが、このままだと眠る気にもなれない。



私はのろのろと部屋に戻るとクローゼットから下着を取り出し、さっき出した部屋着と共にバスルームへ向かおうとした。


そんな私を、当然のように倉橋君が呼び止める。



「え……どこ行くつもりですか?」


「シャワー……浴びに……」


倉橋君の視線から逃れるようにそそくさと部屋を出て行こうとする私の背中に、うんざりとしたような声が容赦なく飛んできた。



「ねぇ、本当に馬鹿なんですか? 熱あるって言ってるでしょう」


「やだ、シャワー浴びる。浴びたい。絶対浴びるんだから」


私はそう言い捨てると、急いでバスルームへと向かう。


洗面所に入り「はぁ」と息を吐き出して鍵をかけるも、さすがに倉橋君も止めに来ることはなかった。
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