ランデヴー
そもそも風邪をひくことはあっても、熱が上がる程に悪化することはあまりない。


それは風邪の気配がしたら悪化しないように対策を講じていたからであるが、今回はその兆しを感じる余裕もなかった。


近頃の不摂生が祟ったのかもしれない。



倉橋君が言う通り、ちゃんと食べておけば良かった……。


今更ながら、私は何となくそんなことを思っていた。



そうしてその場にうずくまっていると、程なくしてガチャリと鍵を開ける音が聞こえ、私は慌てて立ち上がった。


回復した姿を見せれば、倉橋君も納得して帰って行くだろう。



パチッと今日初めての電気を点けると、眩しい光に反射的に目が眩む。


私は慌てて涙の痕をゴシゴシと拭い、無理矢理に丸まっていた背筋をスッと伸ばした。



瞬間、部屋に倉橋君が入って来る。


彼が連れてきた外の冷気がひんやりと入り込み、それは冬の気配を感じさせた。
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