ランデヴー
18Fのカフェテリアでエレベーターを降り、いつもの窓際へ向かった先には、良く見知った先客がいた。
「さーわこ」
後ろからそう声をかけると、彼女は「ゆかりー、何か久しぶり」と言いながら顔を綻ばせた。
だがそれはほんの一瞬のことで、すぐに綺麗に整った眉がひそめられる。
「顔色、悪過ぎだけど……?」
「あー、うん……風邪ひいてて」
「そうなの?」
「うん、会社休んでたの」
私は苦笑いを浮かべながら佐和子の隣に腰掛け、紙コップに入ったお茶を口に含んだ。
「あー……でもね」
不意に言葉を発した私に、佐和子が「ん?」と首を傾げる。