ランデヴー
「私、別れたんだ」


「え?」


「うん、フラれたの……」


えへへ、と力なく笑う私を見て佐和子は驚いた顔をしていたが、すぐに全てを察したように「そっか……」と呟いて私の肩をポンポンと叩いた。



「まぁ……忘れるには次の恋だよ」


「んー、いや……しばらく恋愛とか、そういうのはいいかな」


「なーに言ってんの。倉橋君は? あれからどうした?」


「別にどうもしないよ」


「そうなの?」


「うん……」



佐和子はまだ何か言いたそうな顔をしていたが、ふっと顔を緩めると小さく首を傾げた。



「飲みにでも行こっか」


「そうだね。まだ万全じゃないから治ったら、かな。佐和子もしばらく忙しいんでしょう?」


「んー、まぁねぇ。じゃぁ来月辺り、飲み明かそう!」


「うん、ありがと」


佐和子はいししと歯を見せて笑うと、「じゃぁ行くね」と言って仕事に戻って行った。
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