ランデヴー
「あー、あれは……祖母に作り方教わったんです」


「お祖母ちゃんに?」


「はい」


「そっか。お祖母ちゃん直伝だったんだね」


それを聞くと、あまりちゃんと食べられなかったことが何だか申し訳なくなる。



でも倉橋君のお祖母ちゃん話は、聞いていて何だか心地良い。


自然と笑顔になってしまうような、心が温かくなるような……そんな気持ちにさせる。



私の祖母は厳しくて近寄り難い人だったから、余計にそう思うのかもしれない。


祖母だけじゃない。


私の家族は、皆そうだ。


良く言えば威厳があるとも言えるが、みんなどこか冷たい家だった。



だから早く家を出たかったということもあったのだが……結局私は暖かい家族というものに恵まれることはないのかもしれない。


何となく、そう思った。
< 412 / 447 >

この作品をシェア

pagetop