ランデヴー
「すみません……」


小さくそう謝りギュッと唇を噛み締めて俯く倉橋君の姿を見ると、胸が張り裂けそうだ。



あぁ、倉橋君は関係ないのに……こんなにも傷つけている……。


そして、その原因は全て私なんだ……。



「ごめん……。どうしても坂下さんと話がしたいんだ。少しでいいから、時間もらえないかな」


この最悪な状況で何も言えずにいる私達に、陽介が落ち着いた声でそう言った。



シーンと静かな住宅街で、沈黙がその場に満ちる。


誰1人、身じろぎしなかった。



陽介にそう言われ、私の心はグラグラと揺れる。


いや……本当は答えはもう、出ている。


だが、本当にそうしていいのか、迷っていた。


私の中の理性が、それを引き止めるのだ。
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