ランデヴー
私は冷蔵庫に冷やしてあったビールの存在を思い出し、倉橋君にそれを揺らして見せる。



「飲む?」


「んー……今日はやめておきます」


倉橋君は一瞬考える素振りを見せたが、そう言って辞退した。



私は「そっか」と呟くと、冷たいお茶を取り出してカップに注ぐ。


確かに私にとっても、今日はシラフの方が都合がいい。


私も倉橋君もビール1本くらいで前後不覚になる程酔うことはないが、酔っ払ってするような軽い話でもないな、と思った。


お酒の力を借りた所で、上手く話せるかどうかもわからない。



「いただきます」と手を合わせ、2人でカレーを口に運ぶ。


甘い口当たりから、すぐにピリピリと痺れるような辛さが追いかけてきた。



「んー、辛いけど美味しいですね」


「うん。何か久しぶりだなー、カレー食べるの」


最近はお弁当も復活させて、夜も自炊をすることが増えた。
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