ランデヴー
私が知りたいと願えば、陽介は快く話してくれるだろうか。


私達がこんな関係にならなければ、私はもっと陽介を深く知ることができただろうか。



いや。
そんなの、考えるだけ無駄なことだ。


だって私は既に陽介に恋をし、そしてこの関係を守ることに必死になっているのだから。



「俺も若い世代の子と話すのは楽しいからなー。その点俺と一緒だな!」


そう言いながらバシバシと大地さんの肩を叩く佐原さんは、かなりハイテンションになっている。


大地さんは苦笑いしながら「一緒にしないで下さい」とさりげなくその手を避け、倉橋君に目を向けた。



「倉橋は? 彼女いるんだっけ?」


突然話を振られて驚いたのか、倉橋君は大地さんの問いに少し動揺の色を見せた。


だが、すぐに平静を取り戻して「いませんよ」と曖昧に笑って答える。



「うっそだろ! お前のツラでいないとか、有り得ないだろ!」


「いや、ホントに。今はいません」


愕然とした顔で責めるように言う佐原さんに、倉橋君はさらりとそう返した。
< 81 / 447 >

この作品をシェア

pagetop