ランデヴー
「あー、じゃぁ……帰りましょうか」


「うん」


倉橋君に促され、2人肩を並べて駅へと向かう。



確か倉橋君とは途中まで電車が一緒のはずだ。


少し気まずい思いを抱きつつ、私は何も言わずに歩いていた。



「坂下さんって、お酒強いんですね」


ふと、倉橋君が口を開く。



「あぁ、うん。あんまり酔わない、かな」


「いいですね。俺はちょっと飲み過ぎた感じです」


そう言ってははっと笑う倉橋君は、心なしか陽気な気分になっているように見えた。



「大丈夫?」


「はい、ちゃんと自分を保っていられる程度には」


クスクスと含み笑いをする倉橋君に、「いや、保っていてくれないと困るんだけど……」と心の中で呟きながら口には出さず、胸の中に飲み込んだ。
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