花は野にあるように
え?


一緒に出るかって!


その言葉で僕の脳裏に、以前月明かりの下で見たリョクの裸体が浮かび上がる。


あ、朝からこんな間近で見ちゃったら、僕は鼻血どころの騒ぎじゃないよーっ!


「ぼ、僕、先に上がるからリョクはごゆっくりっ!」


だから僕はそう言うと、とっても気持ちのいい風が吹き抜ける浴場を後にして、脱衣場へと駆け込んだ。


でも、ね。


下着を身に付けた所でハタ、と気が付いた。


何を着ればいいんだろう?


さっきまで着ていた制服は千代さんが洗濯してくれているみたいだし。
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