にょんさま。



 雛子の柔らかいウェーブの長い髪が風に吹かれて顔にかかる。雛子は困ったように髪を直しながら呟いた。

「とりあえず、行くわ。あなたは四季くんの邪魔にはなっていないみたいだし」

「邪魔って何だよ」

 言葉が悪い。が、雛子には悪気はないようだった。

「いいじゃない。細かい人ね。ま、いいけど」

 雛子が行ってしまい、四季と由貴はほっとする。ふたりには相変わらずにょんが見えたままだった。

 にょんはふよふよと動きながら言った。

(・ω・)「にょーん(にょんが見えても見えなくても、気にしなくていいですよー)」

 そんなことを言われても。

 と、ふたりは思ったが、にょんはすとんと腑に落ちるようなことを言った。

(・ω・)「にょにょん♪(にょんは虹みたいなものなんです。タイミングがいい時に、にょんが見える角度でいる人は、見えることが多いんです)」

 にょんの言葉は優しくほんわかとしているのが特徴的だ。聞いている側まで優しい気持ちになってしまうのだ。

 由貴も最初にょんを見た時よりは、にょんに親しみが湧いていた。

「虹というよりメロンパンみたいだけど」

(;・ω・)「にょっ?(メロンパンですか?)」

 にょんはちょっこりメロンパンな気分になった。

(・ω・)「にょー(ありがとでし。にょんにまた新しい味が増えたでし)」



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