愛してる。



そう言ってくれるだけで、
そう思ってくれるだけで、

大丈夫だから。


あたしの髪を綺麗な指ですくう。
心地いい。
この時間がずっと続けばいいのに。

なんて、そんなこと思ってしまった


「……大丈夫。」

そんな哀しい顔しないで。
皇雅が頼りないわけじゃないんだから
皇雅を信用できないんじゃない。

ただ、スキだから。
大好きだからなんだよ


「ばいばい。」

それを合図に皇雅は立ち去った。
やっぱりいっちゃうと悲しくて
皇雅の温もりを探して。

虚しくなった。



~♪~♪

電話……今、出たくない。
確認すると摩季からで。

仕方なくでる

『あ、紗月~っ?
明日暇してない~っ?』

「あ、うん
暇だよ。」

『んじゃあ、
いつものファミレスに11時ねっ!』

「うん、じゃあ明日。」

摩季には悪いんだけど早く電話を切りたかった。
人の声を聞いてると泣いちゃいそうだったから。


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