SWEET HOME
気が済んだらしくようやく自由になれたあたしは早速荷物とお土産を受け取り、哲っちゃんはシャワーを浴びにバスルームへ向かう。


「一緒に入ろう」


もちろんそんなお誘いは、丁重にお断りした。


テーブルにお皿を並べ、最後に庭で摘んできたお花を飾る。


キッチンから、チンと言う音とともにパンの焼ける香ばしい匂いがしてきた。


お留守番の間実家に帰ったり由梨が泊まりにきたりしてそれはそれで楽しかったけれど、やっぱり2人の時間が一番。


「おいしい?」


「あぁ、最高」


「良かった」


目の前で、あたしの作った料理をおいしそうに食べてくれる笑顔が一番の宝物。


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