SWEET HOME
「大丈夫か?風邪?」


心配性な彼が慌て出す前に、あたしは小さな声で言った。


「ううん。あの…」


「どうした?」


髪を撫でる彼の労わるような指先に勇気づけられ、囁く声のまま告げた。


「検査薬…プラスだった…」


「は…?」


「だから…赤ちゃん…出来たかも…」


鈍感な哲史に、今度こそハッキリと言う。


< 13 / 35 >

この作品をシェア

pagetop