SWEET HOME
……あれ?


何の反応も返ってこないことをおかしく思い、ギュッと閉じていた目を開けてみる。


そこには、彼のまん丸になった大きな目があった。


「あの、まだハッキリしてないから、近いうちに病院で…」


慌てて付け加えるあたしの頬に、信じられないといった表情のまま彼の指が触れる。


それは微かに震えていた。そして…


「最高だ…」


結婚式以来、見たことはなかった彼の涙。


予想以上の反応にあたしまで胸が一杯になり、目の前のクシャクシャの笑顔がゆっくりと滲んでいった。


そっと抱き寄せられ、


「真美、愛してる。オレが絶対に守るからな」


耳元で囁かれる優しくて頼もしい言葉に止まらなくなった涙が頬を伝い、


彼のパジャマの胸元でそれを拭った。


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