SWEET HOME
今日の仕事で着る真っ赤な衣装を手に、カーテンで仕切られた一角へ向かう。


「でももう別れた」


キャミソールを脱ぎながら、何でもないことのように言うあたしに、


「え?マジ!?だってラブラブだったじゃん」


カーテンの向こうから、沙織の驚いた声が響いた。


「嫁に子供が出来たんだって」


「…まじか…」


ハッと小さく息を飲んだ気配がして、その後再びしょうがないなって声を出す沙織に小さく笑った。


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