SWEET HOME
ドアノブに手をかけてから、ふと思いついて振り返った。


「…ねえ、怖いこと教えてあげよっか」


「え?なに?」


あたしの言葉に面白そうだと思ったのか、あんなに夢中だった携帯を閉じ視線を向けてきた美希の目はキラキラして見えた。


噂話が好きな、普通の女。


どんな顔するだろう?


「あたしさ、半年くらい前から避妊させなかったの」


その言葉の意味が瞬時にわかったのか、


「…それって…」


沙織の表情が凍りついた。


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