SWEET HOME
『やっぱ大事だろ?』


カサッと小さな袋が破れる音を、あたしは両足を大きく開かされたままいつも聞いていた。


そーゆー関係になっても、最初からあいつはきちんと避妊することだけは忘れなかった。


『大事な美希の体だから』


キスを落としながらそんなありきたりのセリフをを吐いてたけれど、それはあたしのことを思ってたからじゃなく、明らかに妊娠されることを恐れていたから。


当り前だ。


あたしはただの性欲処理用の女。


本当に愛している女とは離婚する気なんて全くなかったのだから。


それに、今ではわかる。


いろんな男とヤリまくってる汚れたあたしに、直接触れたくなかったんだと思う。


のほほんとした顔して、頭ではいろいろ考えていたんだろう。


だけどそのおかげで、自分の身を守ったことになったんだけど。


仕事が出来る男は、さすが勘も鋭いんだね。



だけど、ツメが甘かったよ…



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