雨粒のワルツ
あら、左手だったのね
でも・・・・
秋月さんらしいって言えば、秋月さんらしいか。
私は普段も執事として亜澄ちゃんにぴったり寄り添っている秋月さんを想像して
思わず笑ってしまった。
「・・・でも、これを盾にいつもいじめ・・・」
亜澄ちゃんはそこまで言うと、真っ赤になって口を噤む。
両手で口を押さえちゃって、本当可愛いったら・・・・
「それだけ愛されてるってことよ」
真っ赤になってる鼻をつんとこづくと、亜澄ちゃんはますます真っ赤になった。
「ほら、そろそろ寝ないと。明日はデートなんでしょ?」
私が壁の時計を振り向くと、亜澄ちゃんは大きな声で「あ!!」と言って立ち上がった。
時計の針はすでに午前1時を刺している。
「寝坊したら、朝からいじめられちゃうんじゃない~?」
ちょっといじわるでそう言ったら、亜澄ちゃんはおやすみなさいを言いながら部屋を飛び出して行った。