アイムホーム
「え?」

「所作っていうか、なんか、すごいセレブな感じ。食べてるの普通の和食なのに」



一瞬、ドキッとした。


頬杖をついているオーナーのV字のサマーニットから胸の谷間が見えたから・・・


じゃなくて!!!


俺が八木澤家の次男だってことがバレたのかと思った。



履歴書には家族構成なんか書く欄がないから、俺は八木澤家の子であることを隠していた。

でも、父(?)八木澤勝也は日本でも有数の資産家だ。

父の代で八木澤は大きく成長した。

その経営観念を本にして売り出したらベストセラーの仲間入りをしてしまった。

本屋なんかに行ったらビジネス本のベストセラー第1位の棚に置いてある。


「そ、そうですか?」

俺は慌てて残りのごはんを口の中にかきこんで、ごちそうさまでしたと言った。

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