天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
「僕はね、龍太郎君」

両手を後ろに組んで、レスクレは言う。

「悪魔ではありますが、この学園で友情という奴を育みたいんです…が、大半の者は僕の素性を聞くと、今の君のように構えてしまう…」

「そりゃそうだろ!流石に悪魔はねぇだろ!」

構えを解かない龍太郎。

悪魔といえば神と敵対し、人間に害をなす邪悪の化身そのものだ。

何の偏見もなく、はいそうですかと友情を育むには、龍太郎でもいささか抵抗がある。

「ですが君とならば友情が築けそうなんですよ、丹下 龍太郎君」

レスクレは一歩踏み出した。

< 34 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop