天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
「何故なら龍太郎君、君は『臥龍』でしょう?」

またその呼称だ。

この学園の関係者は、何人か龍太郎をそう呼称した。

「『臥龍』即ち眠れる龍…暗がりで眠る龍は、まだどのような姿をしているのか、我々には見えない…」

「何の話だ?」

「例えば…」

龍太郎の問いかけを無視して、レスクレは話を続ける。

「君が『龍』ならば…『龍』とは東洋における神獣を指す。神の使いであり、神通力を持ち、人々を救い助ける存在…だが」

レスクレの口角がつり上がる。

「君が『竜』ならば…『竜』とは西洋におけるドラゴンを指す。魔物であり、邪悪の眷属であり、炎を吐き、牙と爪で人々を襲い、食らい、死をもたらす…僕ら悪魔と友好的な関係を築けるとは思いませんか…?」

< 35 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop