天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
どことなくミステリアスな匂いのするわたるん。

阿行も怪異として、同じ匂いを嗅ぎ取ったのだろうか。

「わたるん優しいし、ファミチキ買ってくれるし、おぶさりたいの」

きゃわあ、と照れる阿行。

ただ子供のように誰彼構わずおぶさりたがるのが、天神学園に出没当初の阿行だったが、彼女にも何らかの変化が生じつつあるのか。

何にしてもいい傾向ではないか。

おぶさる阿行からは見えない位置で、龍太郎は妹を見ているかのように微笑んだ。

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