天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
最早力ずくだった。

首に回された阿行の両手を掴み、無理矢理に引き剥がそうとする龍太郎。

しかし、離れない。

こんな幼子のような阿行の腕から出る腕力が、鍛え上げた屈強な龍太郎の腕力でも引き剥がせないほどに強い!

無理矢理に剥がそうとすると。

「ぐ…ぐぐぅっ…!」

今にも絞め殺されそうなほどに首を締め付けてくる。

腕だけではない。

龍太郎の腹の辺りに回された阿行の両足もまた、完全に彼を拘束しようとしていた。

完全に龍太郎の体を縛り上げる白面の少女。

彼女は繰り返す。

地の底から這い上がってくるような重苦しく低い声で。

「あぎょうさん、さぎょうご、いかに」

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