琥珀色の誘惑 ―日本編―
ミシュアル王子は本気だ。


金色の瞳が燃えていた。
愛や情熱が灯した炎ならともかく、欲望の火に燃やし尽くされるなんて……冗談ではない。

舞は彼の腕の中でもがくが、それで逃れられるような拘束ではなかった。



奥の部屋にミシュアル王子は一歩足を踏み入れる。

カーテンが引かれたままで、室内は薄暗い。

ベッドの横、中央の広いスペースに小さな絨毯が敷かれ、その左右に香が焚かれていた。

心地良い匂いに舞はうっとりしそうになり……慌てて首を振る。


「心配致すな。媚薬など用いずとも、最初の時から存分に楽しめるだろう」


舞の体がフワッと自由になり、直後、ふかふかのベッドの真ん中に降ろされた。

天蓋付きのベッドなど見るのも初めてだ。
まさか、横たわる日がくるとは思わなかった。

何重にもレースのカーテンが付いていて、紐で留められている。
ミシュアル王子は、舞の履いた色気のないスニーカーを無造作に脱がせ、床に放り投げた。
その後、ベッドの周囲を囲った支柱の一本に近づき……垂れ下がった紐を引いたのである。

シュルシュルとレースのカーテンが降りてきて、完全に外界と遮断されてしまう。


同時に――ミシュアル王子は腰に巻いた白い布を素早く外した。


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