琥珀色の誘惑 ―日本編―
事態の急変に舞の心は追いつけない。
天蓋の天井部分にもアラビア風の綺麗な布が張られている。
それが目に入り……初めて舞は、自分が仰向けに寝かされたことに気づいた。
そして、王子の手により瞬く間に服を脱がされていった。
これまで、何を言われても、どんなに悲しくても、歯を食いしばって堪えてきた。
なのに、頑丈に築き上げた心の防波堤が、音を立てて崩れてしまう。
“いつか王子様が……”
王子様は、舞をお姫様のように大切に扱ってくれると信じていた。
心から愛して必要としてくれる人――その訪れを心のどこかで夢見ていた。
本物の王子様は要らない。
心が本物であれば……それだけだった。
舞は体と一緒に心まで無防備にされてしまう。
涙が込み上げ、滝のようにこめかみを流れて行った。
やがてしゃくりを上げ、嗚咽を漏らすほどに……。
舞の心に芽生えた恋心は、情熱の熱さに焦がされ、萎れていくしかなかった。
天蓋の天井部分にもアラビア風の綺麗な布が張られている。
それが目に入り……初めて舞は、自分が仰向けに寝かされたことに気づいた。
そして、王子の手により瞬く間に服を脱がされていった。
これまで、何を言われても、どんなに悲しくても、歯を食いしばって堪えてきた。
なのに、頑丈に築き上げた心の防波堤が、音を立てて崩れてしまう。
“いつか王子様が……”
王子様は、舞をお姫様のように大切に扱ってくれると信じていた。
心から愛して必要としてくれる人――その訪れを心のどこかで夢見ていた。
本物の王子様は要らない。
心が本物であれば……それだけだった。
舞は体と一緒に心まで無防備にされてしまう。
涙が込み上げ、滝のようにこめかみを流れて行った。
やがてしゃくりを上げ、嗚咽を漏らすほどに……。
舞の心に芽生えた恋心は、情熱の熱さに焦がされ、萎れていくしかなかった。