王子様は囚われ王女に恋をする
「カイル様、イライザは見つかりましたか?」

アリシアが不安そうにカイルに尋ねる。

カイルは安心させるように彼女を抱き寄せると
うなずいた。

「ああ、城の地下室にいたそうだ。
あとでブラッドが連れて帰ってくるから心配いらない」

ホッとしたように微笑むアリシアだが
やはりカイルは彼女の首の傷が気になってしかたがない。

「アリシア、式なら延期しても構わない」

「え?」

カイルは首の傷を優しくなでる。

「この傷が癒えてから式をあげればいい。
だから君はゆっくり休んで…」

そう言ったカイルの手を握って
アリシアは首を横に振った。

「延期はイヤです」

「でも…」

「カイル様は延期しても平気なのですか?」

アリシアはカイルの指に唇を寄せる。

「私との結婚が先になっても
何とも思わないのですか…?」

彼女の瞳が潤み始める。

「私はイヤです。早くあなたの妻になりたいの」

アリシアはそのままカイルの胸に身を寄せる。
< 121 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop