王子様は囚われ王女に恋をする
「…それは命令なの?」

「おそらく」

イライザの言葉にアリシアは溜め息をついた。

捕虜は命令には逆らえない。

「…イライザ、支度を手伝って」

「はい」

(捕虜だからってバカにされてたまるものですか!)

アリシアは固い決意のもとに
久しぶりに丁寧に髪を結い上げ
イライザに化粧を仕上げてもらった。

「アリシア様、とってもおきれいです!」

白いドレスに腕を通した姿を見て
イライザが興奮したように言った。

「ありがとう」

ちょうと支度を終えた頃、部屋の扉の外から侍女の声がした。

「アリシア様、カイル様がお越しです」



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