失恋ショコラ【短】
「それにしても、これは苦過ぎるだろ」


「でも……去年それをプレゼントしたら、彼は『美味しい』って言ってくれました……」


話しながらまた虚しさが募って、心が鉛(ナマリ)みたいに重くなった気がした。


「そりゃ、完全にお世辞だろ」


眉を潜める篠原に、もうため息しか出ない。


それでも今日こそ原稿を受け取らなければ、編集長からどんな嫌味を言われるか…。


「……先生、もうイイでしょう?いい加減に原稿を書いて下さい」


それを避ける為にも、篠原に振り回されてばかりじゃいられない。


だけど、彼が書斎に戻る気配は無かった。


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