失恋ショコラ【短】
篠原には、彼との事をある程度話してある。


もっとも…


『話さないと原稿は書かない』と言う理不尽な脅しによって、話さざるを得なかっただけなのだけど…。


そんな篠原が彼との事を詮索して来るのは、ただあたしの事をからかっているだけなのだろう…。


だから、あたしもいつものように適当に切り返して、さっさと彼を書斎に閉じ込めてしまえばいい。


それなのに…


「……放っといて下さい。あたしみたいな女は、どうせただの脇役なんですから」


募り過ぎた虚しさのせいですっかり鉛と化してしまった心が、いつものように振る舞わせてはくれなかった。


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