失恋ショコラ【短】
「先生、もうイイでしょう?いい加減に原稿を下さい」


「何か、すっげぇムカつく……」


「何がですか?」


その言葉をそっくりそのまま返したいのを堪え、あたしに視線を戻した篠原を見上げる。


「……俺ばっかり振り回されてるから」


「……何言ってるんですか。振り回されてるのは、あたしの方なんですけど」


ため息混じりに呟いた篠原に心底呆れながら返すと、彼が口元をピクリと引き攣らせた。


「お前の鈍さとバカさはギネス級だな……」


これまでの出来事とあまりにも理不尽な発言に、本気で殺意が芽生えそうになったのは言うまでも無い。


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