失恋ショコラ【短】
苛立ちを抑えながら強引に篠原から原稿を奪って、その勢いで踵を返そうとした時…


「待て」


彼は短く言って、あたしの目の前に封筒を差し出した。


「……何ですか、これ」


「新作のプロット」


「えっ……?嘘っ!?」


慌てて手を伸ばすと、篠原はその封筒をヒョイッと持ち上げた。


「何でっ……!?」


それに目を奪われているあたしに、彼が不機嫌な表情をしながら口を開いた。


「どうだった?」


「何がですか?」


尚も封筒に視線を遣ったまま訊き返すと、篠原があたしの耳元にゆっくりと唇を寄せて来た。


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