失恋をした君と私の恋


暖かい空気、桜が舞う。
そんな4月。
新しい制服に身を包み。
家の扉を開く。


私、宮田 奈々<ミヤタ ナナ>は、
志望校に合格できました。


そんな私は、やっぱり
あの人が頭から離れない。

日に当たると茶色くなる髪。
見るからに元気そうなあの人。
同じ年かもしれないし、
先輩かもしれない…。

何も知らないあの人に
恋をした私。

あの人に会えたらいいな…―

学校に着き、
クラスが書かれた紙を見て
私はまた歩きだす。

「4組…4組…あ、ここか」

クラスプレートに
1年4組と書かれた教室


「あれ…早すぎたかな?」

扉を開き一歩踏み入れる
けどクラスには誰1人いない。

「…誰かいる?」

ベランダに続く扉が
少し開いいて、暖かい風が
カーテンを揺らしていた。
私は少しづつ近づいた。


カラカラカラ…。


扉を開けると外にいた人が
ビクっと肩をあげ振り返った
そこには、
同じクラスだと思われる
女の子が立っていた

「4組の人よね?」

私を見て声をかけたその人は、綺麗な長い髪を風で揺らし
手足が細く、白い肌。
見るからに男子から人気のありそうな綺麗な人だった。

「うん。宮田 奈々、よろしく」

私は右手をすっと出した

「井上 沙羅<イノウエ サラ>」

にこっと笑った彼女。
私達は、教室に戻り
入学式が始まるまで、
お互いの中学の話しなどをした。
しばらくすると、
クラスの人も集まりだし
みんな気が合う子を見つけて
話していた。


8時40分になると、
学校のチャイムがなり
みんなが席についた。
担任は、若い女の先生で
軽く担任紹介をしてから
入学式のため体育館へ移動した。


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