絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅱ
もちろん冗談だと分かっているので、しっかり笑ったが、
「いやでも、あり得ることだとは、ずっと思ってた」
あり得ないほどに真剣に返されて、
「ない」とはっきり言い切る。
そう、ないのだから仕方ない。女とあれば誰かれ抱けるような年でもないし、そういう趣味もない。
「実はその、学生が妊娠してな」
「やっぱそうじゃん!」
大声を上げた香月に対して、
「俺の子じゃねーよ!」
事実をきちんと説明しておく。
「なんか付き合ってたというか、遊んでたような男がいたらしいんだけど、やりっぱなしって感じで、知らん顔されて。面倒みてくれそうにないことは、早くからわかってたんだけどな、本人が産むかどうかずっと悩んでて。
結局、おろせなくて産んだんだ。3ヶ月前。今、子供は3ヶ月になる」
「……へえー」
「そいつは学校も辞めて、今は未婚の母なんだけど。親は母親しかいないし、病気がちらしくてほとんど入院してるから頼れる人がいなくて。姉さんもいるけど地方で結婚してて、ほとんど行き来がない状態」
「……」
「だから俺がほとんど子供の風呂入れてやったり、買い物連れてってやったり、結構面倒見てるわけ」
「……そうだったんだ……」
香月の返事の声が重く、驚きと同時に返答に困っていることが見なくてもわかる。だが、途中まで打ち明けたからには、言ってしまわないと、余計困るだろう。
「可愛そうだとは思うんだ。金もほとんどないし」
「うん……」
「だから、俺、その子の父親になろうかどうか、迷ってる」
そこで車を停車させた。予約した店の駐車場は時間のせいか空いていた。
「え、西野さんの子じゃないんでしょ?」
「絶対そうだ。してないんだからな。でも、そいつも寂しいのか……父親になってほしいって言われた」
「……それは……」
「同情するよ、さすがにな。19歳で未婚で子供生んで、近くに世話してくれる男の、普通のこういう経済的に大丈夫な人がいたら、結婚してくれないかなって思うのは確かに有りだと思う」
「……うん」
「だけどさ、……昨日、それを言われて、はぐらかしたんだけど……」
「……うん……」
「今は俺がいないと、何もできないんだ。買い物だってなかなか一人で行けない、金もないし、何も……」
「いやでも、あり得ることだとは、ずっと思ってた」
あり得ないほどに真剣に返されて、
「ない」とはっきり言い切る。
そう、ないのだから仕方ない。女とあれば誰かれ抱けるような年でもないし、そういう趣味もない。
「実はその、学生が妊娠してな」
「やっぱそうじゃん!」
大声を上げた香月に対して、
「俺の子じゃねーよ!」
事実をきちんと説明しておく。
「なんか付き合ってたというか、遊んでたような男がいたらしいんだけど、やりっぱなしって感じで、知らん顔されて。面倒みてくれそうにないことは、早くからわかってたんだけどな、本人が産むかどうかずっと悩んでて。
結局、おろせなくて産んだんだ。3ヶ月前。今、子供は3ヶ月になる」
「……へえー」
「そいつは学校も辞めて、今は未婚の母なんだけど。親は母親しかいないし、病気がちらしくてほとんど入院してるから頼れる人がいなくて。姉さんもいるけど地方で結婚してて、ほとんど行き来がない状態」
「……」
「だから俺がほとんど子供の風呂入れてやったり、買い物連れてってやったり、結構面倒見てるわけ」
「……そうだったんだ……」
香月の返事の声が重く、驚きと同時に返答に困っていることが見なくてもわかる。だが、途中まで打ち明けたからには、言ってしまわないと、余計困るだろう。
「可愛そうだとは思うんだ。金もほとんどないし」
「うん……」
「だから、俺、その子の父親になろうかどうか、迷ってる」
そこで車を停車させた。予約した店の駐車場は時間のせいか空いていた。
「え、西野さんの子じゃないんでしょ?」
「絶対そうだ。してないんだからな。でも、そいつも寂しいのか……父親になってほしいって言われた」
「……それは……」
「同情するよ、さすがにな。19歳で未婚で子供生んで、近くに世話してくれる男の、普通のこういう経済的に大丈夫な人がいたら、結婚してくれないかなって思うのは確かに有りだと思う」
「……うん」
「だけどさ、……昨日、それを言われて、はぐらかしたんだけど……」
「……うん……」
「今は俺がいないと、何もできないんだ。買い物だってなかなか一人で行けない、金もないし、何も……」