2年3組乙女事情

そんなこんなでメールは適当に返しつつ、遊びの誘いは全部断ってきた。



その結果がコレだ。



何回か聞いたことがある。



他の女の子にも、こうやってメールをしたり、遊びに誘ったりしてるのかって。



でも、その度にそんなことはないって言われてきた。



まぁ、その返事も当たり前なのかもしれないけど……。



何回聞いてもそう答えるから、その台詞も信じかけてたんだよね。



だって、そんなことばっか聞く女、面倒でしょ?



だからもし、それがただの言い訳なんだったら、あたしみたいな人間にメールをするのはやめるんじゃないかって。



他に仲の良い女の子がいっぱいいるんだからさ。


そう思ったんだ。


思ってたんだけど……




「やっぱありえないよね、井上律」


「ありえないよ、瑛梨奈ちゃん!彰宏もなんであんな子と一緒にいるんだか……」



果歩ちゃんは、溜息を吐きながらジュースに手をのばした。



「とりあえずさ、今日からはメールが来ても全部無視しちゃいなよ!それくらいして良いと思う!」


「そう?」


「私もそう思う」


「とりあえず、そうしてみるかぁ……」



静かにそう言ったあたしのそばで、果歩ちゃんと亜希帆ちゃんが力強く頷いた。
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