愛しく美しい海



『あ、あの…私…』


「海で倒れたんだ。だから俺がここまで運んできた」


『ありがとうございます』


「あぁ。もう具合は平気か?」



私は首を縦に振った。

するとその男は優しく微笑んだ。

「よし。じゃぁリビングいこ」


男は私に手を伸ばしてきた。
だからその手を掴んだ。

その手は大きくて、すごく温かかった。








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